『かるがも』 松岡尚子

身のうしろ十一羽の子を引き連れて親鴨が行く梅雨明けの昼

高き壁上がらんとして子は落ちぬ親がも道替え側溝を行く

仕方ないことはやっぱり仕方ない来いと言われて従う小鴨

かるがもの親子側溝あゆみ行きひょいと上がりて草原を行く

かるがもの親子よちよち白いつめの花を揺らして川へと急ぐ