・忘れゐし家紋の文様〈抱き茗荷〉墓碑に確かむ彼岸中日
・逃げていく二月と言ひしがなかなかに歌できぬまま膝痛の沁む
短歌研究4月号馬場あき子選 空っ風 mohyo
・教え子のイガグリ頭の少年も六十路を歩み共に酒酌む
・急死せし連絡受けて茫とゐる障子に梅の木の影は引く
短歌研究3月号永田和宏選 mohyo
・ダンボールたくさん積んで長女次女同居しようと引越しくるる
・片づけは編集に似て順序よく箱あけゆくに楽し夕暮
短歌研究3月号永田和宏選 空っ風
・若き日に没頭せしか歴史書は資源ゴミとふ回収日待つ
短歌研究2月号 永田和宏選 空っ風 mohyo
・ 馬頭琴の音色は砂漠を吹く風に混じりて聴こゆ河西回廊
・「ただいま」と長女は夕食つくりくれ「行ってきます」とマンションに去る