・ダンボールたくさん積んで長女次女同居しようと引越しくるる
・片づけは編集に似て順序よく箱あけゆくに楽し夕暮
短歌研究3月号永田和宏選 空っ風
・若き日に没頭せしか歴史書は資源ゴミとふ回収日待つ
短歌研究2月号 永田和宏選 空っ風 mohyo
・ 馬頭琴の音色は砂漠を吹く風に混じりて聴こゆ河西回廊
・「ただいま」と長女は夕食つくりくれ「行ってきます」とマンションに去る
2014年短歌研究1月号永田和宏 mohyo
・泣きながら歩みしわれをほっといてくれし新宿雑踏の中
猛暑日 空っ風
・高音のトランペットの鳴り響く公会堂の外は猛暑日
2013年代表作品 mohyo
・夜咄の茶事はじまると雁行す若きがわれの荷をもちくるる
・蝋燭の芯を鋏で切りしとき炎の明るさ増して揺らめく
・正客の松風の音言ひしとき頷きてきく湯のたぎる音
半夏生咲く 空っ風
・山かひの犬山棚田の水の畔に白き花映ゆ半夏生咲く
短歌研究11月号佐々木幸綱選 mohyo
・尺八の穴に似て良し十六匹蝉の脱け穴わが庭にあり
第13回市川手児奈文学賞(短歌部門)大賞 空っ風
題 「2012年市川を詠む」
・行徳の小さき酒房のジャズライブ冬の月光玻璃戸ゆとどく
初太鼓 JUN
・小春日やソーキ蕎麦屋の古き軒
・お社の杜へと吾の初太鼓
・鉤となり風となり行くラガーどち