遠き日のカラオケ店でわが唄う〈愛の賛歌〉の曲が聞こえる
短歌研究5月号米川千嘉子選 mohyo
クリームパン昔なつかしき味するとゆっくり食べる夫の顔よし
花冷え JUN
花冷えや弔文を書くペンの先
爆ぜんとす虹掠れ行くシャボン玉
ワイパーは三片の花を拭ひけり
初々しい子らの制服四月かあ
中年となりし幼子亀鳴けり
おはよう佐野豊子
この頃は教会へいく姉さんが勇んで寄付するウクライナ国へ
おはようございます。佐野豊子
この頃は教会へ行く姉さんが勇んで寄付するウクライナ国へ
おはようございます!佐野豊子
この頃は教会へ行く姉さんが勇んで寄付するウクライナ国へ
短歌研究4月号小池 光選 mohyo
希望して個室入院初めての一人寝の夜家族身に沁む
明日は家頑張ったなと病院の食事食みつつ涙あふるる
短歌研究4月号小池光選 NAOKO
湯上りに祖母が買いたるきな粉飴ひとつ頬張る髪冷えながら
湯冷めする冬の路地裏月冴えて番犬チェリーのなく声聞こゆ
春の服 JUN
初島を浮かべてをりぬ春の海
強東風や洗濯物の討ち死にす
電車よりどつと溢るる春の服
朝日浴びぱつと眼を開く福寿草
QRコードのやうな吾が朧
アルトサックス jun
雪降つてアルトサックス鳴く夜かな
まだ固き二月の土に鍬を入れ
春浅し買つたばかりのスニーカー
春泥に歩を進めてやなほ生くる
武蔵野や春立つ光なほ淡し