ルーブル展〈風俗画〉とふ人々の日常を描きし西洋の絵師
フェルメール写真タッチに描きたる「天文学者」の前に佇む
陶酔といふ日常をテーマとし白き胸をばあらはに描く
若き母、乳房ふふませる「聖家族」ほのかな灯りに安らぎを描く
短歌研究8月号高野公彦選 mohyo
・風そよぐ江戸川土手に読み進む〈サクラオーナー〉記す立札
・江戸川の土手の若草萌ゆる昼スカイツリーの烟りて見ゆる
如何なる未来待つ JUN
・老木は天に茂れり雲の峰
・水着着て肢体如何なる未来待つ
・見え過ぎぬことにも慣れてサングラス
・のろまでも元気なら良し百日紅
・ソーダ水ジェスチャーゲーム賑やかに
短歌研究7月号高野公彦選 空っ風
・「校庭の記念樹開花」と教へ子の便りとどきて喜寿迎へたり
・ほのかなる花の明るさ夜桜の空に赤銅色の満月
短歌研究7月号高野公彦選 mohyo
・陸軍の支援をうけて軍医なり沖縄ゆ台湾に来し貧しき父は
ブロッコリー 松岡尚子
・ブロッコリー湯の中に身を委ねをり物思ふ我はただに見下ろす
愚直に JUN
・ 風渡る里や愚直に穂麦立ち
・ 古民家の軒も明るいハナミズキ
・ 病院の薬の嵩や菜種梅雨
・ 花未だ色衰えぬ葉陰かな
・ 天が下ひと夫々の更衣
亀の子が JUN
・ 鎌倉や鎌足塚のジャガの花
・ 亀の子が運動場を渡りをり
・ 剪定や日々の生活下に見て
・ 万緑や京に和服の異邦人
・ 母の日の夕日間近に富士見坂
今の若きら 松岡尚子
・地下鉄のサリン事件より20年入信するとふ今の若きら
短歌研究6月号 米川千嘉子選 mohyo
・皆座して緊張あるらむ着陸の機影大きくビルより低し