迷ひたる同窓会に出席し溶けてゆくなり胸のつかえの
冷房の強さを感じパーカーを羽織りて座る同窓会に
友らいふ別荘のこと旅のこと同窓会にパワーをもらふ
短歌研究8月号高野公彦選 mohyo
鎮魂と平和への祈りわが裡に重なりて読む「昭和のうた」を
新築の家々地震に強しといふ窓細長く縁側のなし
街並みの家変われども5時になる「家路」のメロディ聴きつつ帰る
短歌研究7月号高野公彦選 mohyo
熊本産さやえんどうの筋を取る熊本地震のニュースを見つつ
「見えてるよ」神戸の吾娘よりメールきぬ月見上げつつ送信すれば
イエスよりユダのその後が気になりし若き日過ぎぬ新緑の道
8月の俳句 せせらぎの音 JUN
・端っこにわが家で取れし胡瓜揉み
・球場の天女の如しビール売り
・少女とて驕る女の洗ひ髪
・花茣蓙やバレエシューズが無造作に
・せせらぎの音も聞こえて夏料理
象のはな子 松岡尚子
・ほぼ毎日通ったといふ客も居て象のはな子はついに果てたり
目覚めたる朝 からっ風
・目覚めたる朝の冷え込み「里の秋」ラジオゆ流れ亡母の年齢越ゆ
短歌研究6月号米川千嘉子選 mohyo
・夫とわれそれぞれの趣味に区切つけビオトープ観て図書館にいく
五月の俳句 新緑 JUN
・新緑やかつては駒場農学校
・新緑に抱かれをればドボルザーク
・桃山や空まで続く袋掛
・夏めくや靴下履かぬスニーカー
・推敲の新茶を妻が入れくれし
・
友来る JUN
仲春の声仲春の梢より
友来る春泥踏みし靴のまま
暖かや緋鯉も泳ぐ神田川
陽炎や人見街道起点の地
4月の俳句 JUN
棋士破る人工知能亀の鳴く
雲丹食べて築地の今を愛(お)しみけり
図書館で本を借りよか花曇
青春を共に過ごしてさくら時
散髪の髪の白さや花の冷え