夏終はる   JUN

花茣蓙を敷けば去年の吾と会ふ

離れいて日傘の奥の頸白し

見送るや読経の如き蝉時雨

グランドにボールが一つ夏終はる

生け垣を四角に切れば天高し

黒猫ミー  NAOKO

40年経ってしまった過ぎし日の黒猫ミーに酷似する猫

亜熱帯の島になりゆく日本で熱中症の人が増えゆく

大西日     JUN

賑わえる夜店と裏の深き闇

鑑賞す夜店に並ぶ飴細工

今日の日と吾を過去とし大西日

万歳寝している仔犬星祭

渇きたる心も満たし生ビール

手紙書く   JUN

車窓より巡る大地や麦の秋

ナイターや四万人と追う打球

手紙書く庭の石蕗花咲初めて

子離れや柱の傷は子どもの日

病み伏せば遠く聞こゆる祭り笛