グーチョキパー

 

 

五階から見下ろす桜は咲き初めて
今日か明日かグーチョキパー  (みよ子)

原作
五階から見下ろす桜の枝えだは今日か明日かグーチョキパー

(アドバイス)
グーチョキパーがこの歌のおもしろさですが、やや唐突な感じがします。

作者
グーチョキパーの意味は、わかりますか。

ひゃら
歌全体から想像すると、蕾のふくらみを
いっている?

作者
そうです。グーはまだ固い蕾。パーは咲いた状態。

ひゃら
グーチョキパーを補佐することばが必要ですね。
たとえば「咲き初めて」「咲きはじめ」など。

作者
枝えだ をやめて「咲き初めて」にします。

ひゃら
そうですね。唐突な感じが、少し薄まりましたね。
元気のいい歌です。

豊子

 

猫とふたり

客ぶとん仕舞いて猫にかたりかく
「お盆がすぎてまた君と二人」
(オリーブ)

原作
人に言うごとくに猫と語り合う「お盆が過ぎてまた君と二人」

(アドバイス)
人に言うごとくに はいらないのでは。下句で猫に語りかけていますから。

作者
猫に語りかけている自分に可笑しくなりました。

作者
息子夫婦が上京してにぎやかでしたが、帰ってしまいました。その時のうたです。

ひゃら
ほっとした気持ちと淋しさが入り混じった歌でしょうか。

作者
客布団を仕舞ったり用事は、ありますね。

ひゃら
客ぶとん仕舞いて猫にかたりかく「お盆がすぎてまた君と二人」

作者
それで良いと思います。

 

牛乳瓶の感触   佐野豊子

飲み終わりし牛乳壜の感触をくちびるにあてふわーんとあくびす

石の上のトカゲのような緊張感とけずとけない母看取る日々

桃咲けど根雪のさむさ温かさ疲れはかすか人遠ざける

日だまりはポンカンポポン布団ほすヘルパーさんの声こだまして

遭難者ヘリにて運ぶ雪山の映像見つつふと涙でる