家族の歌会   数年前のものです。       mohyo

捨てようと整理していたものの中からでてきた。

ふーしゃん

・ 満開のしだれ桜の紅の花右まわりに観左まわりに観る

・ ゴッホ描けり青の大空黄の畑不安ただよふ曲線の教会

松岡尚子

・ 予想もせぬ展開見する人生の不可解故に養ふるこころ

・ 曇日の潮来のあやめ花びらの白きを眺め紫を眺む

佐野豊子

・ 山いちめん芝桜咲くひつじ山日のくれどきに羊鳴くなり

・ 春星は密やかに落ちて花になる秩父連山ついに暮れたり

JUN

・ 人も街も置き去りにして万緑の山懐へ歩み入りにき

・ 春雷や微かに起きし旅心

・ 桃の花吾を窺ふ童子あり

・ 裏庭に父の影なし柿若葉

mohyo

・ バロックのオルガン響く虫たちの羽音のような草匂うよな

・ 水道水なれどこの朝春めきて耳の裏まで水洗いせん 

膝小僧ならぶ            mohyo

それぞれに背負ふものあり玄関に家族見送る笑顔で元気に

子の心吾(あ)をなぐさめぬわがうたの歌評伸びやかちゃぶ台の上(へ)に

黒スーツ黒ヒール履くOLの膝小僧並ぶ春 もう春なんだ

われよりも老ひたる人と二人にてもったいないねと無料バス待つ