・恵比寿ではベーグル店と今日決めてうたつくりをり待ち人来るまで
・カフェに来てしばし休めば『がんさぽーと』静かにめくる老紳士あり
円空 空っ風
・円空の彫りし仏像ノミの跡今に伝ふる奥飛騨の寺
・円空のこころ伝ふる仏像は飛騨の草生す民家に遺る
風とほるらし 短歌研究7月号 高野公彦選 mohyo
・山茶花の照葉のかたへ紅葉葉の微かにゆれて風とほるらし
・風過ぐる高きあお空広々と我はせわしく蒲団を叩く
魚野川 からっかぜ
・夕昏るる幽けき雪の魚野川手漉きの和紙に墨ながすごと
・フキノトウ花咲く一日昏れゆきて夜汽車の走る越の雪原
試験直前(太極拳) 短歌研究3月号永田和宏選 mohyo
・両足裏つりたる試験直前にできるやるぞと水飲み励む
想い出 NAOKO
・五歳より小四までを踊りたるバレエは玉のごとき想い出
・眠るとき紙と鉛筆置きねむるいつも夜明けに歌うかぶゆえ
梅雨冷え JUN
・ランドセルの上に置かれて夏帽子
・時の日や象には象の時計あり
・梅雨冷えや吾と我が身の隙間より
『蹶起趣意書』 からっかぜ
・惟神ながらの激を誌るせりペン書きの『蹶起趣意書』の文字は幼し
・亡き人の遺影飾りて山車はゆく鎮魂の祭り秋の日昏るる
土手はもう春 mohyo
・包みゐし新聞捨つるを短歌欄あれば読みをりゴミ箱の前
・両足裏つりたる試験直前にできるやるぞと水飲み励む
・朝食を「ドトール」と決め江戸川の風顔に受け夫と土手行く
・こんなにもイヌフグリ咲くとよく見れば心晴れゆき土手はもう春
赤煉瓦 からっかぜ
・赤煉瓦オフィス・ビル街丸の内≪一丁目ロンドン≫しのぶ歴史散策
・駿河台椿の花咲くビル陰に太田道灌供養碑は建つ
