オルゴールほろんと鳴りぬ雛納
三月は青き空より生まれ来ぬ
春雷の残して行きし春の虹
行く雲やグーチョキパーとこぶし咲き
八方へ花溢れさすミモザかな
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
オルゴールほろんと鳴りぬ雛納
三月は青き空より生まれ来ぬ
春雷の残して行きし春の虹
行く雲やグーチョキパーとこぶし咲き
八方へ花溢れさすミモザかな
キリストの脇腹を突く槍の先したたりやまずたとえば辺野古
戻りたい人生の場所はどこなのか小さい花束置きたいけれど
旧約の神にしたがうダビデの詩殺戮の日々はいまも終わらず
「女よ」とイエスに言われし母マリア崇めるこころに会話なししや
べタニアのマリアが好きだ手伝わずイエスの言葉に聞き入り?らる
魂の闇にさ迷うマグダラのマリアの苦悩メシアに従う
銀三十奴隷ひとりの値なり師を裏切りしユダのかなしみ
ゴルゴタの丘に果てたるキリストの復活を見しはマグダラのマリア
柔らかな光となるや福寿草
童心の胸を反らせは”春の空
あたたかや丸ごと洗ふ泥の鎌
今朝摘みし春菊和の朝餉かな
人間の吾も動物猫の恋
コロナ禍の八月半ば告知さるリンパ線節(癌)に茫然自失
抗ガン剤 放射線治療を拒みたる自然療法は日々の散策(ウオーク)
ガン告知受けし夏の日呆然と・・秋逝く夕べやふやく和む
告知さるガンを抱へて四ヶ月八十路の坂道秋風の冷ゆ
エアコンの温風浴びて起ち上がる八十路の朝のラジオ体操
心臓のぴたりと止まりわが犬が死んでいくなり両腕おもし
背骨 腹 眼にもおそらく癌のあるその犬がよぶ母なるわれを
衰弱死するほかやすらぐ術のない犬をいだけばかすか尾をふる
婿たちと長男三人に囲まれて羞らふ母の写真の若し
寝たきりのわれではないと母のいふ天井みながら短歌つくるとき
夜に見る山火事耀い広がれり災い住居に近づくらしも
離れいて静かにみている我が罪よ夜の山火事巨大宝石
ちょっとした油断禁物焚き火から小屋に延焼消化器効かず
昼間みる山火事煙が拡大しヘリコプターが水撒く細し
栃木より群馬に山火事移りゆき怖しと想う炎は情念
百年に一度とはいえウイルスの変異の情報 チャーハン作る
逼迫の家族感染増えゆきぬ戦中派とう言葉浮かびて
マスクしてスーパーへ行くここかしこ籠一杯に買い込む人ら
夜の川にメロディ聞こゆ焼き鳥屋営業短縮収益減りて
ワクチンの開発進むわが国へワクチン届き接種始まる
夫の癌この寂しさをいかんせむ寄り添ひゆかな落葉踏みつつ
夫とわれ仲良く生きなむ今日もまた「ひるのいこい」のテーマ曲流れ