雨降りてすれ違ふときやさし顔外国人は傘かしげせず
最近ものを食べながら歩いている人が多い外国人だけでなく日本の若者にも。
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
雨降りてすれ違ふときやさし顔外国人は傘かしげせず
最近ものを食べながら歩いている人が多い外国人だけでなく日本の若者にも。
春の太陽(ひ)はやさしく射して「早春賦」真間小学校児童の歌声聴こゆ
弘法寺(ぐぼうじ)の「伏姫桜」(ふせひめ)今年も枝垂れ咲き四百余年の歴史を見つむ
国府台砲車の軋むまぼろしを聴きて歩みぬ桜並木を
真間川にじゅん菜池に降る雨は櫻花(はな)を散らして市街(まち)に春呼ぶ
コロナ禍の一年(ひととせ)過ぎぬ早や三月(やよい)「いち歩」のウオーク待たるる出会ひ
「松ぼっくり」 いちかわ歩こう会会報誌4月号
強すぎた抗がん剤に肝臓をいためて神の領域を踏む
嘔吐して苦しむ日々を萌えいずる歌集は届く渾こめられて
あのかたは岬灯台ゆるぎない信仰もちて施設にくらしぬ
乳ふたつなければ胸は薄いもの入っているのはわたしの心臓
今は肝臓の数値も低くなり癌CA15-3もいまのところ安定しています
介護付きマンション入り口スッと翔ぶ燕の二羽が巣作り始める
徐々徐々に器の形に成りてゆく燕の巣作り丁寧なり
ひたすらに巣に沈むごと温かく卵を抱ける燕を眺む
巣の下に箱が置かれて入り口を出入りする人皆雛を見る
雛たちの背なに乗るほど羽ばたきし元気な雛が1番に翔ぶ
オルゴールほろんと鳴りぬ雛納
三月は青き空より生まれ来ぬ
春雷の残して行きし春の虹
行く雲やグーチョキパーとこぶし咲き
八方へ花溢れさすミモザかな
キリストの脇腹を突く槍の先したたりやまずたとえば辺野古
戻りたい人生の場所はどこなのか小さい花束置きたいけれど
旧約の神にしたがうダビデの詩殺戮の日々はいまも終わらず
「女よ」とイエスに言われし母マリア崇めるこころに会話なししや
べタニアのマリアが好きだ手伝わずイエスの言葉に聞き入り?らる
魂の闇にさ迷うマグダラのマリアの苦悩メシアに従う
銀三十奴隷ひとりの値なり師を裏切りしユダのかなしみ
ゴルゴタの丘に果てたるキリストの復活を見しはマグダラのマリア
柔らかな光となるや福寿草
童心の胸を反らせは”春の空
あたたかや丸ごと洗ふ泥の鎌
今朝摘みし春菊和の朝餉かな
人間の吾も動物猫の恋
コロナ禍の八月半ば告知さるリンパ線節(癌)に茫然自失
抗ガン剤 放射線治療を拒みたる自然療法は日々の散策(ウオーク)
ガン告知受けし夏の日呆然と・・秋逝く夕べやふやく和む
告知さるガンを抱へて四ヶ月八十路の坂道秋風の冷ゆ
エアコンの温風浴びて起ち上がる八十路の朝のラジオ体操
心臓のぴたりと止まりわが犬が死んでいくなり両腕おもし
背骨 腹 眼にもおそらく癌のあるその犬がよぶ母なるわれを
衰弱死するほかやすらぐ術のない犬をいだけばかすか尾をふる