庭の柿喰らふ熊見て柿買ふにテレビは映す熊撃たれしと
ヘリコプターで熊にエサ撒け 生態系言い出す正しさ少し憎みて
ドングリになる日を待ちし熊飢ゑり芽のうちに猿・リスに食べられ
クマ撃つは襲われたから捕らえしを山に返しし目印をもつ
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
庭の柿喰らふ熊見て柿買ふにテレビは映す熊撃たれしと
ヘリコプターで熊にエサ撒け 生態系言い出す正しさ少し憎みて
ドングリになる日を待ちし熊飢ゑり芽のうちに猿・リスに食べられ
クマ撃つは襲われたから捕らえしを山に返しし目印をもつ
あの星が小惑星のトータチス4倍のかなた地球と月の
六百年周期小惑星のトータチス一番近い日ぞ地球まで
鳴りをはる鐘ぐおおおん 正座するわれらに告げる読経のをはり
洋式のトイレ希望す足長の少女はスタイル、吾は膝痛で
伝説を妹言ひぬ白髪の母に黒髪のあまた生えきて
その夫を「ツレ」「ダンナ」とふ車内にて「連れ合ひ」といふひびき吾に沁む
クリップの6個が2列に並びゐてクリップパクパク歌ふ夢見つ
亡き祖母が吾(あ)の枕辺で帯を解く夢より覚めて泣き心鎮む
大き魚(うお)に吾はまたがり糸満の湾に着きしが魚死にし夢
冷房を効かすマイカー止めてより夫と走る自転車連ね
せっかくの風鈴鳴らず窓閉めるどの家も窓締めていたんだ
ハーレムの壁に描かれて金魚らは金魚鉢抜けジャンプキスす
真夏日を冷え冷え電車降り立てば新宿駅のホームがぬくし
微動だにせぬ風鈴ようだるよな暑さ気温は39℃と
薯の花うねる大地の儘に咲く
山手線ぐるぐる廻って飽きた頃帰りましたと欠席理由告ぐ
萎えていし夕べの紫陽花打ち水に葉をピンとさせすましてる今朝
集落の遺跡の道の石みだれ吾はも聞かん生活(たつき)の響き
集落はトルコ遺跡の石の家悠遠なる影西日のつくる
アメリカの音楽、文化をあびし身は住めぬよトルコの
遺跡見てたつ
女傘さして自宅へ走り梅雨
丸太橋渡る危ふさ花菖蒲
紫陽花や蛇の目の傘に巫女ふたり
傘の柄を抱きて歩む梅雨入(ついり)かな
裏庭の十薬遂に表まで