鬱々と家に籠もりて一日昏れ桜明かりの真間川歩む
葉桜の春の名残りの法華経寺母待つベンチへ幼子
走る
短歌研究7月号高野公彦選 mohyo
柿六個無造作に置かれ柿色が貧しき部屋を豊かに変へぬ
集落の家々に実る柿ありて採る人なきまま夕暮れていく
短歌研究6月号馬場あき子選 空っ風 mohyo
・若き日に勤めし銀座の百貨店セピアの写真にモガの叔母をり
・親しまれだるまさんと言われゐし是清の笑顔孫ひざに抱き
短歌研究5月号馬場あき子選 空っ風 mohyo
・忘れゐし家紋の文様〈抱き茗荷〉墓碑に確かむ彼岸中日
・逃げていく二月と言ひしがなかなかに歌できぬまま膝痛の沁む
短歌研究4月号馬場あき子選 空っ風 mohyo
・教え子のイガグリ頭の少年も六十路を歩み共に酒酌む
・急死せし連絡受けて茫とゐる障子に梅の木の影は引く
短歌研究3月号永田和宏選 mohyo
・ダンボールたくさん積んで長女次女同居しようと引越しくるる
・片づけは編集に似て順序よく箱あけゆくに楽し夕暮
短歌研究3月号永田和宏選 空っ風
・若き日に没頭せしか歴史書は資源ゴミとふ回収日待つ
短歌研究2月号 永田和宏選 空っ風 mohyo
・ 馬頭琴の音色は砂漠を吹く風に混じりて聴こゆ河西回廊
・「ただいま」と長女は夕食つくりくれ「行ってきます」とマンションに去る
2014年短歌研究1月号永田和宏 mohyo
・泣きながら歩みしわれをほっといてくれし新宿雑踏の中
猛暑日 空っ風
・高音のトランペットの鳴り響く公会堂の外は猛暑日
