卒寿越ゆ一日の基本はゴミ出しとラジオ体操夕べの風呂準備
大西日 JUN
賑わえる夜店と裏の深き闇
鑑賞す夜店に並ぶ飴細工
今日の日と吾を過去とし大西日
万歳寝している仔犬星祭
渇きたる心も満たし生ビール
短歌研究7月号永田和宏選 からっ風
早慶戦・反戦デーに安保デモ蝟集せし街新宿に酔ふ
短歌研究7月号永田和宏選 mohyo
カーブ時の電車スピードで傾くを今では見慣れし遮断機の前
手紙書く JUN
車窓より巡る大地や麦の秋
ナイターや四万人と追う打球
手紙書く庭の石蕗花咲初めて
子離れや柱の傷は子どもの日
病み伏せば遠く聞こゆる祭り笛
かろき言葉 NAOKO
梅雨晴れの日差しは暑し「かっぱ寿司」の屋根の上なる沈黙の空
簡単な送別会なり職場にてちらし寿司食う四人笑顔で
葉桜の影を踏みつつ低く咲く額紫陽花のそばを過ぎたり
「リアジュウ」は「リアル充実」若きらのかろき言葉を憎からず思ふ
短歌研究6月号米川千嘉子選 mohyo
診断は「健康的な胃粘液」と深呼吸してもう一度読む
短歌研究6月号米川千嘉子選 からっ風
〈六十年安保〉世代も八十路入りドトール・コーヒー啜り妻待つ
短歌研究5月号米川千嘉子選 mohyo
名に惹かれ思わず入りぬ(武蔵野茶房)太極拳の友を待ちたり
短歌研究5月号米川千嘉子選 からっ風
小仲台マンション時代は子供らの部活動や受験生の日々を励ます