
利休7則
茶は服のよきように点て、炭は湯の沸くように置き、花は野にあるように、さて夏は涼しく冬は暖かに、刻限は早めに、降らずとも傘の用意、相客に心せよ
茶は服のように点て
舌で感じる味覚の満足だけではなく亭主と客の心が本当に通じ合えることがたいせつである。
炭は湯の湧くように置き
単なる炭に関する知識とか炭点前の技術の優劣を言うのではなくて、客に対する真心がこもっているかいないかである。全身全霊お茶に打ち込むことが大切。
花は野にあるように
利休は自然に生える花こそ美しい、尊いのだといっている。自然の持つ個性の美しさ、その生命の尊さをわずか一輪の花においてそれを表現するところに茶の花としての本当の意味があるといっている。
夏は涼しく冬は暖かに
自然と対抗しそれを克服しようということではなく自然と一体となって生きていく態度 盛夏の「朝茶事」は夏の生活を楽しむ 夏の朝の涼しさを味わうといった積極的な夏のすごし方。
刻限は早めに
時間を大切にする。予期せぬことも起きるので何ごとも早めにし約束の時間は必ず守る。
降らずとも傘の用意
露地傘、露地下駄をいつもそろえておくなど心くばりを忘れない。臨機応変の処置ができるだけの心構えと準備をおこたってはならない。
相客にこころせよ
自分勝手、得手勝手ではなくお互いに尊重しあい共に楽しいお茶事を過ごす。
利休七則とは背景に和敬清寂の思想がある。これは茶道の最高の思想でもある。これは茶道の実践をすることにより習得されるものである。
綾子