鉢植えに雨やわらかし独り居は昼も鍵しめ玄関に出ず
短歌研究10月号島田修三選NAOKO
昭和生まれ夜泣き続きし吾子なれど爆撃音は聞こえなかった
祐次氏の葬儀 佐野豊子
火葬炉の順番八日も待たされて小さな顔の兄(にい)さんさよなら
ご遺体は義兄の魂が脱ぎしもの棺の横の遺影に親しむ
一条の涙がマスクに消えていくアクリルボードの姪を見つめる
宣告は余命一年あたたかく病身さすりし妻娘の手のひら
電話にて姉に頼まる「順番に死のうね」なんて返事にこまる
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
鉢植えに雨やわらかし独り居は昼も鍵しめ玄関に出ず
昭和生まれ夜泣き続きし吾子なれど爆撃音は聞こえなかった
火葬炉の順番八日も待たされて小さな顔の兄(にい)さんさよなら
ご遺体は義兄の魂が脱ぎしもの棺の横の遺影に親しむ
一条の涙がマスクに消えていくアクリルボードの姪を見つめる
宣告は余命一年あたたかく病身さすりし妻娘の手のひら
電話にて姉に頼まる「順番に死のうね」なんて返事にこまる