希望して個室入院初めての一人寝の夜家族身に沁む
明日は家頑張ったなと病院の食事食みつつ涙あふるる
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
希望して個室入院初めての一人寝の夜家族身に沁む
明日は家頑張ったなと病院の食事食みつつ涙あふるる
湯上りに祖母が買いたるきな粉飴ひとつ頬張る髪冷えながら
湯冷めする冬の路地裏月冴えて番犬チェリーのなく声聞こゆ
初島を浮かべてをりぬ春の海
強東風や洗濯物の討ち死にす
電車よりどつと溢るる春の服
朝日浴びぱつと眼を開く福寿草
QRコードのやうな吾が朧
雪降つてアルトサックス鳴く夜かな
まだ固き二月の土に鍬を入れ
春浅し買つたばかりのスニーカー
春泥に歩を進めてやなほ生くる
武蔵野や春立つ光なほ淡し