冬晴れ  佐野豊子

冬晴れに〈清バス〉が来るよろよろと一期一会の二、三人乗る

もういない農家の庭の落柿さえ食べたかったひもじい少女は

金婚の夫婦が散歩に誘い合いあっちとこっちへ歩きだすなり

食前の祈りは三人まわりもち「カレーが冷める母さん長すぎ」

正月も感染力はパワフルで『コロナ禍歌集』まだ現在形

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