湯上りに祖母が買いたるきな粉飴ひとつ頬張る髪冷えながら
湯冷めする冬の路地裏月冴えて番犬チェリーのなく声聞こゆ
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
湯上りに祖母が買いたるきな粉飴ひとつ頬張る髪冷えながら
湯冷めする冬の路地裏月冴えて番犬チェリーのなく声聞こゆ
希望して個室入院初めての一人寝の夜家族身に沁む
明日は家がんばったなと病院の食事食みつつ涙あふるる
帰宅して四方八方虫の音に野たれ死にした気分にひたる
冬の草ぽきぽき折れば燃えるゴミ今宵の満月澄みはてて寒む
暮れ方に遠い連山燃えている影絵のなかゆき寿司などを買う
稽古場は破船となりて売られたり後継者なく資金も尽きて
未練なり琉球人形いろあせず恋の「綛掛け」(かせかけ)永遠に舞ませ
クッションを抱いて見つめるひた走る福岡マラソンラストランを
地震来る怖さもあれば枕辺に厚き靴下ズボンも置きぬ
カーテンを引けば溢るる今朝の春
手料理で子待ち孫待つ三日かな
三世代の餅の真白を並べ焼く
初春や小江戸にゆるき時流れ
多摩川に今年の幸を願いけり
避難する幼女がひと言「死にたくない」他国といえど身につまされぬ
孤立するプーチン思うロシアにも反戦デモが拡大しつつ
不気味なる警報音や首都キエフに軍が迫りぬ爆音ひびく
ロシアへの経済制裁第三次世界大戦起こらぬように
ドイツの壁崩壊のとき東側に家族と棲みしプーチンなりし