雪国    NAOKO

古いなあと友に言われたこともある今でも好きだ「雪国」の駒子

ニュースにて越後湯沢に雪ふれば今にも駒子が現れそうで

さりげなく「今何時?」と彼に聞く大谷直子の駒子なつかし

トンネルをくぐりて帰るその人に手振り別れぬこころ痛みて

実りなき徒労と知れど正直な瞬時のこころに賭けし駒子は

温め酒    JUN

温め酒ひとには告げぬ思ひあり

秋しぐれ時間は決めぬ待ち合せ

アルプスを遥かに望み葡萄棚

サクソフォン秋の窓辺を流れくる

秋の灯の過去へ流るる車窓かな