彼方なる記憶   NAOKO

師走きて西の青空ちぎれ雲赤く染まりて甘やかに見ゆ

大阪の万博思う遥かにて太陽の塔今も浮かべり

産土の綾部に帰りしことはなし三歳までの由良川の景色

古寺の隣の家の二階より這い降り出でて姉を泣かせし

ニュースあり。そうかあれから五十年自刃果たせし三島由紀夫は「昭和45年11月25日没」