戦後70年目の敗戦記念の日、八月十五日 靖国神社問題の実相を知るべく早朝より同社を参拝し、終日境内に身を置き同社探求と人の動きに注目、見聞を広めた。激しい人の動きの中、暑い一日が終わり神宮の森に陽が沈むころ、靖国神社の大鳥居をあとにした。
戦争と平和を思惟する夏の日は長き一日八月十五日
九段坂駅を出ずればヘルメット防弾チョッキのポリスら並ぶ
靖国神社(やすくに)へつづく人混み街宣車アジ演説の声錯綜す
反共も九条の会もチラシ撒き己が立場の主張を叫ぶ
イデオロギー 主義か思想かさまざまの会派の呼びかく靖国の前
炎天下大鳥居(とりい)くぐれば粛々と遺族の列は祈るひとびと
『戦没者追悼式』の放送に境内の人ら足止め祈る
十五日正午の時報ひびくとき静かに黙祷皆足とめて
英霊の遺族ら老ひて参拝は孫・子の多し戦後世代に
遺族らか昇殿参拝待つ人の和洋の正装黒の行列
横並び10列の人ら炎天下五十メートル余に粛々と待つ
軍刀(とう)を吊り軍服姿の参拝に鎮座す英霊感想や如何
ハモニカに合わせ軍歌を歌ひゐる十重二十重の円陣の群れ
靖国神社(やすくに)の実相つぶさに知るべくを境内で過ごせし暑き長き日
夕あかね 靖国神社(やすくに)の森つつむころ大鳥居背に家路に向かふ