八重岳の蝶にあいたし千葉(せんよう)の言葉つやめくおきなわの雨季
雨粒に取り出すバッグの底の底沈没船のような古傘
帰還兵の父が生きた歳月と猛暑で死んだ虫がかさなる
深海に暮らすはずの釣り目鯛〉われに食われて媼になるかも
噓っぽい恋などしないハクセキレイ尾っぽダンスで求愛全開
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
八重岳の蝶にあいたし千葉(せんよう)の言葉つやめくおきなわの雨季
雨粒に取り出すバッグの底の底沈没船のような古傘
帰還兵の父が生きた歳月と猛暑で死んだ虫がかさなる
深海に暮らすはずの釣り目鯛〉われに食われて媼になるかも
噓っぽい恋などしないハクセキレイ尾っぽダンスで求愛全開
人待つか外ばかり見てゐる老女珈琲飲むたびに咳込みながら
忘れえぬ思ひでかなし引揚者われら貧しく「茄子の馬」喰む