だみ声のカラスが鳴いて目が醒めるふたつ命のふれあう一瞬
敗れたり天覧相撲に攻めきれず貴景勝は土俵に腹這う
素枯れ菊ぽきぽき折って焚き火した昭和の匂いは何故か哀しい
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
だみ声のカラスが鳴いて目が醒めるふたつ命のふれあう一瞬
敗れたり天覧相撲に攻めきれず貴景勝は土俵に腹這う
素枯れ菊ぽきぽき折って焚き火した昭和の匂いは何故か哀しい
妹のこゑ明るくなりしケイタイに吾も力でて居間の掃除を
十五万二十七万その値札置かれし後ろに子犬ら眠る
ゆくりなく子犬は屈みいと細き便を落とせり硝子のむこう
区切られし硝子の空間売られいる子犬の床を拭きいる店員
子供には抱っこさせない大人には抱かせるという子犬の売人
相棒の茶色の毛並みその背なに顔寄せ眠る黒毛の子犬
混雑の電車に一つ席空きて礼して座る優待席に
さざんくわは造花の如き朱色き花五輪六輪今朝も咲きをり