戦後期の闇市の面影(かげ)残す商店街(まち)ハモニカ横丁賑はひてをり
短歌研究11月号佐々木幸綱選 mohyo
温き茶を飲みつつ思ふ背を伸ばし今は稽古ぞ心しづめて
大き円たどる思ひで両腕をゆったり下げて動かし始む
押されても動かぬ腰を感じ取り太極拳の楽しさに生く
短歌研究11月号佐々木幸綱選 からっ風
母の死を聴きて故郷へ急ぐべし始発電車を待つ時間長し
短歌研究10月号 佐々木幸綱選 からっ風
鬼平や遠山金さん闊歩せし深川界隈梅雨に入りたり
短歌研究10月号 佐々木幸綱選 mohyo
初めての口ほどけよきお茶菓子と薄茶飲みたり山梨にきて
夏の草 JUN
日を掴み向日葵の黄は輝けり
己(おの)が影辿りて刈れり夏の草
甚平や天の炎を肩透かし
眼(まなこ)閉づ秋めく風を頬(ほお)に受け
音色良し仕舞忘れの風鈴の