雨の白梅  佐野豊子

ぶきっちょと母に叱られ折鶴の翼のはなより鈴なりわたる

また闇に雨音のして空気冷えもう寝よかとみずからに言う

どうにでもなれとトラック右折して雨の白梅枝ごと落とす

おぼろ月むかしの人の心には菜の花さいて詠み人知らず

顔をよせ桜一輪みてあればかわいいさくらやまとのさくら

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