①「忘れ草」たばこの異称と知りてより鬼ユリの顔やわらぎぬわれ
・忘れ草→身につけると物思いをわすれるという (季)夏
・たばこの異称→ 吸えば憂いをわすれるという
②近隣の人は死ねども肉じゃがをわれは食べたり明日を思いて
③どのような人が罪人 特別な人ではないよ沈黙の月
④『つゆじも』の歌集を読めばあはれなりピナテールの名をこころに留む
・ピナテール 仏人。江戸末期文久3年渡来。貿易関係の仕事をしていた父を
追って長崎に来た。時に18歳。恋慕した遊女と結婚。3年ほどで妻は他界する。
彼は大変悲しみ朱塗りの枕を形見に独身を通した。 行年77歳
・『つゆじも』茂吉第三歌集 39歳の作品
長崎の港の岸をあゆみゐるピナテールこそあはれなりしか
⑤台風が千葉を襲いぬ停電の二日目となる冷蔵庫効かぬ