竹団扇   JUN

ゆるやかな時を過ごすや竹団扇

静けさや海に臨みて雨の薔薇

時の日に岬の鐘を打ちてみる

洋館に歴史の重み黴にほふ

岩にたわわ亀の子たちの甲羅干し

大海の光   NAOKO

「神の愛知らずに来ただけ」白鳩がつと窓にきて手紙落とせり

伸び伸びと人ら泳げり大海の光背にして老人上がり来

暮れ近き夕茜雲つかの間の光といえど芒穂照らす