寂しさ   NAOKO

「父母の寂しさの上にありし幸」今にし思うと姉は告げたり

不協和音聞かさるるごと星空に「広告」を出す人工衛星

「わざわい」の漢字一文字平成の御代は終わりて新春来たる

花束    豊子の短歌

戻りたい人生の場所はどこなのか小さな花束置きたいけれど

またひとり舞踊仲間はふるさとへもどる晩年島唄うたう

昨晩の宴のあとのおすそわけ不死鳥の咲く花束いただく

ミスばかり緑のみーで枝を打つ「柳」踊るに歳がなんなの

イナモミ(絶滅危惧種)JUN

友どちへイナモミ飛ばし遊んだ日

柿干すや日差しあくまで柔らかき

人の世の吐息の如し鱗雲

宴会の書状冬めくポストへと

仔犬連れ歩く小径も冬めきぬ