車窓より巡る大地や麦の秋
ナイターや四万人と追う打球
手紙書く庭の石蕗花咲初めて
子離れや柱の傷は子どもの日
病み伏せば遠く聞こゆる祭り笛
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
車窓より巡る大地や麦の秋
ナイターや四万人と追う打球
手紙書く庭の石蕗花咲初めて
子離れや柱の傷は子どもの日
病み伏せば遠く聞こゆる祭り笛
梅雨晴れの日差しは暑し「かっぱ寿司」の屋根の上なる沈黙の空
簡単な送別会なり職場にてちらし寿司食う四人笑顔で
葉桜の影を踏みつつ低く咲く額紫陽花のそばを過ぎたり
「リアジュウ」は「リアル充実」若きらのかろき言葉を憎からず思ふ
診断は「健康的な胃粘液」と深呼吸してもう一度読む
〈六十年安保〉世代も八十路入りドトール・コーヒー啜り妻待つ
名に惹かれ思わず入りぬ(武蔵野茶房)太極拳の友を待ちたり
小仲台マンション時代は子供らの部活動や受験生の日々を励ます
リュック背負ひ乳母車押す若きパパ赤子の帽子直して笑みぬ
〈寅さん〉の銅像見上げて微笑みぬ〈さくら〉の像も柴又駅前