姉の短歌が準特選
馬場あき子選 短歌研究5月号
故郷へ帰るすべなし吾を背負い祖母が歌ひし琉球古謡
祖母の背で不安といふを知り染めぬ引揚者に吹く基隆の風
泣くことは安らぎでした引揚者家族の長女三歳のわたし
ああー泣けば泣いてもよいと祖母も泣く引き揚げて三重の山道を行く
三線のリズムに一人踊りでて次々踊るも馴染めざるまま
長谷川綾子
姉は、教師を定年退職したが、ほっとする暇もなく、母の介護が待っていた。
わたしは、姉のおかげで活動範囲がひろがった。
短歌は、姉のほうが先輩だが、結婚と仕事で短歌はながく中断した。
これを弾みに作歌活動を再開してほしい。
短歌研究3月号高野公彦選 からっ風
歳末の〈福引〉なつかし振鈴の音今はポイントの倍々セール
短歌研究3月号高野公彦選 mohyo
半年後楽しみと言われ独り言ポツリと聞こゆ「生きてるかな」と
隣席の若きと老女のはずむ声優しさ満ちる老女に学べり