・エイサーの鼓軽やか春の虹
・お水取り千年燃ゆる火の散華
・庭隅に春の来てをりふきのたう
・折り畳み傘は鞄へ春の雨
・山手線廻る散策日脚伸ぶ
短歌研究3月号永田和宏選 空っ風
・枯れ山の籠坂峠にひっそりと御座す祠に無言で詣ず
短歌研究3月号永田和宏選 mohyo
・この四首感情出しすぎ冷静さ必要なりと評されしわれ
短歌研究2月号 永田和宏選 空っ風
・「この雨が一層秋を深めます」と女性予報士は黄のセーターで
短歌研究2月号 永田和宏選 mohyo
・息つづく限り般若心経息つぎはそれぞれにとふ僧の声太し
短歌研究1月号永田和宏選 空っ風
・「いま、秋」と雑木林に照るもみじ忍野八海目ざして歩む
短歌研究1月号永田和宏選 mohyo
・ゆるやかな放送の声を遠く聴く「はやくおうちにかえりましょう。」
短歌研究総合年刊歌集 mohyo
・柿六個無造作に置かれ柿色が貧しき部屋を豊かに変えぬ
・生き生きとわれを呼ぶごと栄西展掛け軸の柿六個描かれ
・知識ある象徴なるや栄西の頭の形四角く高し