柿の木の輝く芽吹き実る季をもの思ひつつ老いゆくよ
短歌研究1月号 永田和宏選 mohyo
効率主義見えかくれするこの夕べ脳死男の臓器運ばる
猫と鴉と NAOKO
猫の足すっと止まりぬフェンス上の鴉のダミ声猫を威嚇する
猫と鴉互ひに相手を読むごとし緊まりし時間その場に張りぬ
その瞬時鴉は黒き羽広げ猫の頭上を掠め羽ばたく
いつも居る鴉が俄かに飛び立てば勢ひのある一羽が追ひぬ
その翼たたみて鴉は木の上に戻りてゐたりまた一羽なり
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
柿の木の輝く芽吹き実る季をもの思ひつつ老いゆくよ
効率主義見えかくれするこの夕べ脳死男の臓器運ばる
猫の足すっと止まりぬフェンス上の鴉のダミ声猫を威嚇する
猫と鴉互ひに相手を読むごとし緊まりし時間その場に張りぬ
その瞬時鴉は黒き羽広げ猫の頭上を掠め羽ばたく
いつも居る鴉が俄かに飛び立てば勢ひのある一羽が追ひぬ
その翼たたみて鴉は木の上に戻りてゐたりまた一羽なり