ぽぽ落ち葉母と過ごせし小庭へも
窓に透く母無き家の冬日かな
日に映えて土へと還る枯野かな
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
ぽぽ落ち葉母と過ごせし小庭へも
窓に透く母無き家の冬日かな
日に映えて土へと還る枯野かな
PROFILE
大正5年 台湾高雄市で誕生
大正7年 幼児洗礼 伊藤春吉牧師 高雄教会
大正12年 北原白秋『多磨』に入会 斉藤 勇 『台湾』に入会
昭和13年 信仰告白(幼児洗礼ではなく自分か受洗) 上 与二郎 牧師 台北幸町教会
昭和15年 軍医の父と結婚
昭和20年8月 台湾引き揚げ 基隆より
昭和21年 塩見靜歩『丹土』 入会 北原白秋『多磨』再入会
昭和26年 東京都婦中町に転居
昭和28年 宮 柊二 『コスモス』 創刊に参加
昭和49年 夫逝去
昭和56年 歌集『ポポの木』 上梓
平成21年12月2日 死去 府中教会員 享年93
信愛病院に5年間入院し信愛教会の本宮牧師に毎日お祈りしていただいた。葬儀は信愛教会に
お願いした。
・空暗く地球の青くみゆる時もガガーリンの頭にみ手のありしならむ
・茄子の馬あれば偲びぬ引揚げのわれは飢えゐて拾いたりしか
・田舎医師となりたる夫が世を忍び長く着たりし軍服ぞこれは
・夫の死に伴ひ入りしそこばくの銭を握りぬ悲しみは湧く
・仏頂面などはするなと夏落葉われを目掛けて黄に翻る