紫陽花の咲く頃          NAOKO

紫陽花の咲く頃となり再びを読み返したり小説「津軽」

入居者の家族よりもらひしさくらんぼ口に運べば桜桃忌近し

現代の調べ物速しネット使ひ太宰の通ひし店をつきとむ

路地裏の隠れ屋の如き銀座店「ルパン」にいづれ行かんと思ふ

裸足の少女      NAOKO

叱られて青白き頬伏せにけり夜の庭に立つ裸足の少女

落日を眺めて後に家籠るひとの慣ひを心に留む

しっかりと親に抱かれし記憶なしながく寂しき少女期思ふ