ほたるぶくろの面持ち            松岡尚子

・ とらへ得ぬほたるぶくろの面持ちをよしと思ひて夏の野を行く

・ 防空頭巾持ちて歌会に行きしこと詠ひてあれば心緊まり来

・ 弓道の人を思ひぬ弓を引き的を狙ひて他を見るなし

・ 目の覚めて身体も徐徐に覚めゆくにみんみん蝉鳴く生の限りを

・ 走り来て歯科はあそこと再びを教へくれたりワンピースの人 

 

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