六月二十六日は旧暦朔日アジサイを門戸に吊るすと岐阜のメル友
綾子
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
六月二十六日は旧暦朔日アジサイを門戸に吊るすと岐阜のメル友
真正面の衝突にあらずさはあれど全治三ヶ月の娘の額
夏近し夏と言ったら生ビール娘の怪我回復待ちて飲まんか
夏近し夏と言ったら花火なり稲毛の大会に今年は行かな
八月を病んで煩悩限(きり)も無し
うつそみに鳴きて売らるる螽蟖
軍手もて平時に採れし茄子(なすび)持つ
雪を置くあけぼの椿葉の間(あひ)に一輪咲きをりピンク色して
細糸の絡まる様(さま)の母の文字声高らかに母詠み給ふ
老い母のたまゆら冴えて詠み給ふ歌はよきもの力あるもの
綾子
老人の痛みを知りて見舞ふ老妻(つま)悲しえちゃんと死ねなかったねえ
昔から母の見る夢問題をわれ等にしらしむ習いぞ祈れ
沖縄をふりむきもせぬ母よ母西洋人形足枕にす
薄汚れぺちゃんこ人形母に似てレースの帽子ハイカラ少女
そうめんの束のこりいて昨日の熱暑をさます朝雨の音
夏雨はむんむんとせりひんやりと肌に涼しい今朝のさびしさ
ふたたびを着かず放れず沖縄の伝統芸に生きるサプライズ
夏の野に潮風渡り讃岐富士
ひとのため祈ることあり遠花火
丘の上ホテルは今も巴里祭
純