生死分かつ別れありしとぞ船出前を女らの舞ふ沖縄舞踊
満月の光を浴びて不動なるをみなかすかに面上げたり
鴨狩りの男踊りは軽快にて鴨と仲良くステージを去る
霞ヶ関の茶房に居れば白髪の紳士が二人短歌(うた)の話する
綾子
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
生死分かつ別れありしとぞ船出前を女らの舞ふ沖縄舞踊
満月の光を浴びて不動なるをみなかすかに面上げたり
鴨狩りの男踊りは軽快にて鴨と仲良くステージを去る
霞ヶ関の茶房に居れば白髪の紳士が二人短歌(うた)の話する
母の裡を切なく聞く夜白々とドクダミ草の花ゆれやまぬ
足の爪切りやる吾に女男のこと艶めき語る母を憎めり
小さくてきれいな爪持つ母の足八十九歳をマッサージする
「ご家族と話すときには母になる」青年福祉士吾に告げをり
綾子
廃品にパソコン、テレビ、椅子をだし12000円なりきょうも梅雨
廃品の回収業者はものおきの蜘蛛の巣キライむしコワイらし
フルーツのやんばるじぇりー沖縄の梅雨明けとともに届きたり
三面の記事からかならず読んでゆく放火、殺人、詐欺のつづきを
新聞は一社紙のみの知識なるも社説するどければテロを危惧す
急速に興味失うきらめかずワールドカップ敗退したれば
伝へたき言葉は胸に梅雨に入る
梅雨空へ煙笠間の登り窯
紫陽花の花を急かせて小糠雨
実をあまた付けて寂しも枇杷の照る