仰木香織さんの歌 歌誌コスモス06−4月号

今月も仰木香織さんの歌があった。やはり悲しみのお歌であった。心からご冥福を祈ります。
今日は王JAPANが世界一になり日本中が沸いた日だった。

粉雪散る野外球場(グリーンスタジアム)に列なして仰木彬監督を偲びくれます

白いカーネーション手に手に寒きグランドに駆けつけくれつファンらたふた

大リーガー野茂が田口が、やんちゃくれの清原(キヨ)が涙ぐみ献花の順待つ

子をもたず惜しむなく父性注ぎしかよき選手らかく育ちかく慕へるは

マウンドの笑顔の遺影魂魄ととどまりまさむ。また会いに来む

綾子

 

朝光及ぶ  松岡尚子

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千五百八十円也一缶の石油代金にひた驚きぬ

小さきこと発端として風船が膨らむやうに拗れし関係

失望に負けることなし山林の枝々の雪に朝光及ぶ

綾子