玉子酒  JUN

寄せ鍋や娘夫婦の暮らし振り

山茶花の白鮮やかに犇(ひしめ)けり

閉ざされて雪山静か寒湯治

後悔も弁解もせず玉子酒

含羞も少し手拍子酉の市

追羽根の空に止(とど)まりやがて落つ

羽子板の武者絵の貌(かほ)に羽子の傷

{追録}

(馬場治子さんの「詩人 村野四郎」上梓を祝ひて)
天翔る四郎の鹿や返り花

(郷土の森博物館元館長 横尾友一氏を悼みて)
冬の雁翔(た)ちて郷土の森残る