霜月の星なほ残り夜は明けぬ
結局はひとりの夕べ赤のまま
日光のいろはにほへと山の秋
落日の竹馬長き影が往く
由良川の辺が生地荻の群れ
衣被ぎ衣残さぬやうに剥き
アニバーサリー祝ひ踊るや街は秋
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
霜月の星なほ残り夜は明けぬ
結局はひとりの夕べ赤のまま
日光のいろはにほへと山の秋
落日の竹馬長き影が往く
由良川の辺が生地荻の群れ
衣被ぎ衣残さぬやうに剥き
アニバーサリー祝ひ踊るや街は秋
老人は赤子ではないあの声をなんとかしてよ「お口をあーん」
寝たきりの母が指さす死者たちは天井にいて残念見えず
封筒の糊しろをつけ切手貼る何をしててもうっすら寒い
水を得た老魚そののち水底にひっそりとして尾ひれそよがす
今回は、詩を掲載します。
中学2年生の詩です。
自分の手をとおして自分をみつめ、ひとの温かさを感じ、自然の恵みを素直にうけとめています。
ー手ー NANAKO
わたしの手はなんでも知っている
わたしの好きなところも
わたしの落着く場所も
わたしの手はなんでも知っている
大切な人の手の温かみも
そよ風のやさしさも
だからわたしは
わたしの手にだけはウソはつけない
どんなに強がってみても
どんなに隠してみても
ぜったいにばれてしまう
わたしの手はなんでも知っている
四季の移り変わりや太陽のあたたかさ
命あるものの大切さや自然のやさしさ
わたしの手はわたしのいちばんの理解者
だって 生まれたときからの
長いつき合いだから
エッセイでは書けぬところを歌にせよ鍋洗ひつつ拭きつつ思ふ
殺虫剤蚊に振り撒きてもう寝よう蚊のうた三首かんがえながら
青空に溶けゆくように逝きたもう礼拝奏楽者九十三歳
素顔にてたった一度の死化粧まじまじ見れば微笑まんか
ひとはみな塵にかえる 神の霊やどるからだに寿命のあれば
病気せず百までいきる人あれどベッドの母にまなぶ忍耐
エッセーで書けぬところを歌にせよ鍋洗いつつ拭きつつ思ふ
ミツビシのボールペンの歌三人の歌人の解説また読んでみる
定型で言えぬ思ひを漢字・かな音リズミカルにととのえてみん
庭の柿喰らふ熊見て柿買ふにテレビは映す熊撃たれしと
ヘリコプターで熊にエサ撒け 生態系言い出す正しさ少し憎みて
ドングリになる日を待ちし熊飢ゑり芽のうちに猿・リスに食べられ
クマ撃つは襲われたから捕らえしを山に返しし目印をもつ
夕空をコバルトブルーに染め上げて
台風の雲走りぬけたり (羽根花子)
原作
台風の雲走りぬけ夕闇をコバルトブルーに染め上げて
ひゃら
「染め上げて」は5音。字数が足りないですね。
作者
「コバルトブルーに染め上げて」と一息によみます。
ひゃら
それでは、上下句をいれかえてみましょう。
ひゃら
台風の雲が去ったあと、何が、夕闇を染め上げているのでしょう。
作者
コバルトブルーの空が。それはそれは美しかったのです。あ、空がいりますか。
作者
夕空をコバルトブルーに染め上げて台風の雲走りぬけたり
作者
上下句を入れ替えてみるのもいいですね。