浮雲  佐野豊子

誰からも遠ざかりつつ火のついた浮雲のよう足暖める

断罪をくだして樫をかなします魔物めきたりわたくしの声

あけぼのの目覚めの鴉かわかわと幼いままに濁声に鳴く

意味もなくなつかしくなる向日葵の茎の太さに真夏の昭和

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