海蛇  佐野豊子

みずからを海蛇という宮古人海人の娘仙台に住む

火事のよう西雲は燃え声はなし華ある舞いを魂の舞を

脇役の茶の花でいいイヤ違う二つ心に青月あおぐ

誰かいう少数族のアボリジニー熱湯のごと人寄せ付けず

牛蛙

対岸の牛舎に届け似た声で
梅雨だつゆだと牛蛙鳴く
(小見山みよこ)

原作
対岸の牛舎に届け似た声で梅雨に入ったと牛蛙鳴く

ひゃら
梅雨にハイッタと読まれましたね。

作者
四句目が気になっていろいろ考えたのですが。

ひゃら
歌を愉しむチャンスです。リズムよく鳴かせたいですね。

作者
もう梅雨だなと私が思ったのです。

ひゃら
「梅雨だつゆだ」はいかがですか。

作者
それがいいです。それにします。

集落  mohyo

集落の遺跡の道の石みだれ吾はも聞かん生活(たつき)の響き

集落はトルコ遺跡の石の家悠遠なる影西日のつくる

アメリカの音楽、文化をあびし身は住めぬよトルコの
遺跡見てたつ