勤めゐし機屋の跡地に夏草の生えて一夜を機織虫の鳴く
蜘蛛の巣に捕はれし黄の蝶動く循環バスの発着所
ただという循環バスを待つ間蜘蛛の巣の黄蝶は食べ尽されたり
帰宅せし庭の暗き舞ふ蝶を待つ蜘蛛見上げる小さな蜥蜴
家墓を沈めるダムの喫水線山の中腹示しつつ言ふ
年金の安き吾なり墓石も安値なる外来物を妻は諮れり
去にし後煙草に焼けし吾が家の有りたる夢に亡き父母伴ふ
女たちの子守歌 みなみ恋し ふるさと
勤めゐし機屋の跡地に夏草の生えて一夜を機織虫の鳴く
蜘蛛の巣に捕はれし黄の蝶動く循環バスの発着所
ただという循環バスを待つ間蜘蛛の巣の黄蝶は食べ尽されたり
帰宅せし庭の暗き舞ふ蝶を待つ蜘蛛見上げる小さな蜥蜴
家墓を沈めるダムの喫水線山の中腹示しつつ言ふ
年金の安き吾なり墓石も安値なる外来物を妻は諮れり
去にし後煙草に焼けし吾が家の有りたる夢に亡き父母伴ふ