振り子    寛 

為政者の間引きそこねの生き残り釘箱の釘虚空の滴

埃っぽい部屋に色紙紙風船しわぶき太い夜の住人

知らないと痛み覚えぬこと多く散文的な黒い子守唄

乾かないままで割れてる夢の夢乾いた虹は鮮しい夢

夕暮れがそこだけ残り白日のキャンパス描く不安定の属性

壁際の振り子が揺れてる青い闇回転ドアの赤い循環

不安定な老いゆくものの残像が呟いている無機質の淡

写真提供 【正】 さま