風邪  佐野豊子

熱いでて枕の下に手をいれるひんやりひとり春夜を目ざめ

病臥して萎えるこころは混沌と思わぬ人をなつかしみおり

熱さがり夢さめたようしんみりと食卓により白湯いれて飲む

病みあがりあみだ帽子をかぶる部屋こんな事にも安らぐなんて

われが病み姉さん少し痩せたらし母の介護の奮戦メール

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