窓辺の物芽  JUN

如月の泥を付けたる葱を買ふ

春めくや時過ぎ行きて子は母に

ひとりぼつち二月の風が雲を追ふ

川の字に布団干されし寒の明け

窓掃除終へし窓辺の物芽かな

三十歳(みそとせ)を通ひし小道日脚伸ぶ

風花が「三億円の道」に舞ふ

み空晴れ山茱萸の黄濃くしたり

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