イチロさんからのお便り
– イチロさんからのお便り1 –
7ヶ月間の闘病生活を経て、妻ヨッシーは、ようやく退院することができました。
今回の入院騒ぎで、つくづく感じたことは、二人の性格の違いでした。悪性リンパ腫と医師に宣告されたとき、私が「狼狽」したのに対し、ヨッシーは「怒り」ました。なぜ自分がこんな病気に罹らなければならないのかと。覚悟を決めて入院してからは、くよくよしてもなるようにしかならないと、英会話に、編み物にと前向きに取り組んでおりました。
– イチロさんからのお便り2 –
私が「悲観派」でヨッシーは、「楽観派」なのだと思います。厳しい抗癌治療にもかかわらず、人様よりダメージは少なく、回復は早く、入院中に体重が増加しました。
退院してからは、まるで何事も無かったように、家中を動き回り、子どもたちを怒鳴り散らしています。「悲観派」の私としてはもう少ししみじみと、退院の喜びをかみしめたいところですが、これも性格の違いでしかたがありません。魔法のツボに封じこめられていた怪物君が、千年振りにツボから出てきて、「やれやれひどい目にあったぜ!」と言っているような、そんな気がする今日この頃です。