8号 2000/09/11

ふーしゃんの短歌ワールド

☆☆☆☆ 8号 2000年9月11日 by mohyo          ☆☆☆☆☆☆
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☆ ふーしゃんの短歌ワールド                     ☆
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☆ われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。 □ 宮 柊二 □ ☆
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☆☆☆☆★☆☆☆☆ ー次号は9月下旬発行予定ー         ☆☆☆☆

◆ 結局人を救えるのは文学だと思う。……… 同僚 S・H 氏

ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

◆ふーしゃんのうた -明け鳥-

三崎港あけそめんとし点灯のあかるき部落そちこちにある
明け鳥は部屋の近くに鳴きそめて幾たびなきて声の整ふ
三浦一族さいごの地にて歌のこす「砕けて後はもとの土くれ」
われとわが励ましの曲ながしたりからたちの花、春のうらら
年齢よりも若き頭脳とほめられぬ励まざらめや残るいのちを
神を呼ぶ弥生の銅鐸聞きたくてひとり振りたり人無き部屋に

■ひゃらのうた ー夏草ー

大人にはなりきれなかった母を守(も)るマンゴーにおふ平屋根の家
夏草野ひろがる駅にうつむけるわれを捲きたる夕風は父
てっぺんの頭髪うすいとさわぎつつ老母がわが頭(ず)をマッサージする
介護者(ヘルパー)からにげたい老母は夕暮れの鴉のように濡れているなり
出会う男みんな自分に気があると思いこみつつ老いふかむ母

★ まつなおのうた-込み合う電車-

※今回は、まだ正直な自分が出ていないような気がします。その分作品が弱いかもしれません。

むらさきの衣に淡き思い秘めうつ向く如しほたるぶくろは
何処より生まれ来しもの雨蛙よぬれし石段(いしきだ)ピョコピョンと去る
月見草群れ咲きてゐる十字路を野菜果物下げて通りぬ
三時草の名をもつ小さな花にしてピンクの花にて三時に咲きぬ
事故などはないと思いて安心し、いつも乗りゆく込み合う電車

● mohyo のひとりごと

母をつれて温泉に行く予定であったが妹から発熱のために行けないと連絡が入った。母は初めは行かないと言ったが熱が下がると行く気になっていた。ヘルパーさんが22時・0時・3時に来て面倒を見てくださったのに連れ出して、またご面倒を頼めないという妹の判断で母を連れて行かなかった。

母は独りで暮らしている。すぐ隣に弟夫婦が住んでいて妹が近くの市から電車と自転車で通っている。帰り際に母の発熱に気付いたが病院も薬局も終わっている時間であった。妹の家にも姑がいて「私は面倒を見られていません。」と言われている。弟の家に頼みに行ったが弟の嫁が何も言わなかったので、ヘルパーさんに依頼した。

確執があったにせよ気分の良い話しではない。だが待てよ!これからの時代の老後や介護問題は姑・嫁とか親・娘など血縁第一主義だけでなく、新しい価値観を持った契約関係で結ばれる方がカラッとしてより人間的な最後を送れるかもしれない。

私はインターネットで情報を発信したり受信したりして介護者が来る以外に外部と全く接触が無い独居老人生活は送りたくない。

少しずつオンラインショッピングでおなじみの店を作り私なりのオンラインショップの商店街を作り上げて買い物もできるだけ自分でしたい。子どもが少なく老人が多くなる私の老後は暗くないと思う。